記
当院では、大腸内視鏡検査を受ける際には抗血栓薬(血液さらさら)を内服されているかどうか確認をしております。抗血栓薬にはバイアスピリン、プラビックス、エリキュース、プレタール、ワーファリンなど様々な種類がありますが、脳梗塞や狭心症・心筋梗塞の既往がある方、心房細動などの不整脈をお持ちの方、心臓弁置換術後の方、頸動脈狭窄症や腰部脊柱管狭窄症などの持病をお持ちの方などが内服している可能性があります。
抗血栓薬を内服していても検査自体は安全にできますが、これまで当院では安全性を重視して、大腸ポリープ切除術の際には一定の制限を設けておりましたが、日本消化器内視鏡学会のガイドラインに則り規定を更新しました。
−抗血栓薬内服中の内視鏡検査に関する新規定(2020年4月より)−
(1) 血栓症低リスクの方(抗血栓薬を中止しても血栓症発症リスクが少ない方)には従来通り抗血栓薬を中止の上、適切な手技でポリープ切除を行う。
(2) 血栓症高リスクの方の場合は抗血栓薬を内服継続の上で検査を行い、一定の条件(下記)を満たした場合にのみポリープ切除を行う。
i. 抗血栓薬は1剤内服中のみ切除可能(ただしワーファリン内服中の方は切除禁止)。
ii. ポリープ切除方法としては、出血リスクの低い非通電式切除に限定する(電気スネアを用いた治療法は認めない)。
なお、本規定は暫定措置であり、今後のガイドラインの見直しや当院における偶発症発生状況等のリスクマネージメントの結果次第で、さらに改定の可能性があります。
以上