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大腸カプセル内視鏡について

小金井つるかめクリニックの消化器内科の川上智寛です。

当院でコヴィディエンジャパン株式会社のカプセル内視鏡を導入することになりました。

現在、予約~検査~結果説明までの一連の流れを最終調整している段階ですので、11月には本格始動できると思います。

 

コヴィディエンジャパン株式会社のカプセル内視鏡は小腸用と大腸用の2種類がありますが、当院では当面、大腸カプセル内視鏡の運用のみで行っていく予定です。今回は大腸カプセル内視鏡の検査について説明いたします。

大腸用のカプセル内視鏡は両側に超小型カメラが内蔵されています。

大きさは31.5(長さ)×11.6(直径)mmで重さは約3gです。

カプセルを口から飲み込んで腸の中を進みながら内部を撮影し、腰に装着したレコーダーに無線送信され、保存されます。カプセル自体に写真は残らないのでたとえ回収できなくとも画像解析は可能です。

大腸カプセル内視鏡の難点

大腸カプセル内視鏡を受けるにあたっての注意点をいくつかご紹介します。


・基本的に見てくるだけの検査
カプセルは通過する範囲を撮影する機能だけをもっています。ですから、ポリープや腫瘍が見つかった場合、同時に組織検査や切除などの治療を行うことはできません。カプセルは腸の蠕動によって進んでいくものなので、もともと腸の動きが悪い方などは目的とする部分の観察が十分できないこともあります。

大腸カプセル内視鏡の難点

・大きくて飲み込みづらい
飲み込むだけで検査できるというのがカプセル内視鏡の利点ですが、カプセルの形状をしているとはいえ長さ3というとペットボトルの飲み口(約2.8cm)くらいの長さがあります。

大腸カメラより多くの下剤を飲む必要がある

大腸カメラを受けたことのある方ならご存じだと思いますが、検査前に飲む約2リットルの下剤。よく皆さんにいわれるのが「検査以上に下剤を2リットル飲む方が大変だった」という感想です。大腸カプセル内視鏡は事前に便をきれいにするために2リットルのんだ上にバッテリーが足りている時間内に大腸全体を観察するために追加1-2リットルのむ必要があります。大腸カメラよりも多くの下剤を飲む必要があります。

・カプセルが排出されない場合がある:滞留

腸の中に狭い部分(狭窄)があるとカプセルが体の中にとどまってしまうことがあります。排出されない場合はレントゲンやCT検査で体内にあるか確認を行います。大腸内にある場合は自然に排出されるまで待ちますし、小腸にある場合は狭窄などにひっかかっている可能性があるので小腸バルーン内視鏡や外科手術が必要になることがあります。


MRIの検査を受けられない

カプセルが体内にあるときはMRIの検査が受けられません。

カプセル内視鏡の保険適応

令和2年4月から大腸カプセル内視鏡の保険適応の範囲が拡大されました。

・大腸内視鏡検査を実施したが、癒着などで奥まで挿入できなかった場合

・器質的異常(術後の癒着など)で大腸内視鏡検査の実施が困難であると判断された場合

・身体的負担によって大腸内視鏡検査の実施が困難であると判断された場合

 

通常の内視鏡と同様に医療機関で必要性の判断を行った上で上記のような要件を満たした場合に保険適応になるということをご理解ください。

※要件を満たさない場合は自費による検査になります。

 

費用

保険適応 3割負担で約3万円〜3万5千円程度の負担が必要です。

大腸カメラ(生検やポリープ切除がない観察のみ)が約5千円〜6千円くらいであることを考えるとどうしても大腸カプセル内視鏡より負担額が大きくなります。

 

カプセル内視鏡と聞くと「カプセルを飲むだけで大腸の検査できる手軽なもの」というイメージがあると思いますが、下剤の服用が多かったり、カプセルが大きかったり、カプセルが途中で詰まってしまう滞留という合併症があったり、保険適応となる要件が決められていたり、観察だけの検査にもかかわらず金額面の負担が大腸カメラの6倍必要だったり、デメリットもあることをご理解いただければと思います。

癒着や痛みなどで大腸カメラでは全部の大腸の観察が難しかった方や潰瘍性大腸炎の方や他の病気で粘膜の脆弱性がある方にとってはカプセルを飲んで、下剤を飲むだけ(服用量はちょっと多いですが…)で痛みなく、また出血を助長することなく検査できることは大きなメリットがある検査です。興味がある方や自分が適応になるかどうか知りたい方は、相談にいらしてください。

 

費用

内視鏡センターのページはこちらです。

まとめ

 

* 当院で大腸カプセル内視鏡をはじめます。
* 大腸カプセル内視鏡はメリットとデメリットがあります。
* 保険適応になるかどうか条件があるので、外来で担当医師へご相談ください。

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