漢方科が得意とすること 〜漢方専門医からのメッセージ〜

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漢方科が得意とすること 〜漢方専門医からのメッセージ〜

皆さまこんにちは、小金井つるかめクリニック院長の石橋です。

 

今回は番外編で、当院の漢方科の紹介をさせていただきます。以下の紹介文は、当院の漢方専門医である溝部(みぞべ)医師に執筆してもらったものです。また、後半部分で、新型コロナウイルス感染後の症状に対する漢方治療についても触れてもらっています。

 

「漢方」とは

漢方というと、どういったイメージでしょうか?  

 

古くさい、副作用が無い、長く飲まなければいけないなどと思われている方が多いのではないのでしょうか?

 

私たちが使っている漢方薬の半数は、2000年以上前から使われているものです。その当時は、今のような検査器具はありませんので、五感に頼った治療を行います。

 

目や皮膚の病気でも、そこだけに異常があるとは考えません。からだ全体のひずみや異常がそこに現れていると考えますので、目や鼻の病気でも、脈をとり、舌の色を診ます。最後に、お腹を触って薬を決めます。診察前の問診も、西洋医学とは違い、冷えがないか、胃腸が弱くないかなどをお尋ねします。

 

最初はちょっと戸惑われるかもしれません。

 

なお、漢方にも副作用があります。ただ、長い年月使われているうちに、危険なものは使われなくなりました。昔は、水銀や鉛が入った薬も使われていました。

 

漢方薬を飲んでいて、肝臓や腎臓が悪くなることもまれにありますので、西洋医学の薬と同じように副作用を早めに見つけるため定期的に採血を行っていきます。

 

 

漢方薬の種類について

当院では、多くの患者さんに対して、エキス製剤と言われる漢方薬を使用しています。これはツムラや小太郎といった漢方メーカーが作った薬で、インスタントコーヒーのようなものです。

 

院外の薬局へ行っていただくことにはなりますが、昔ながらの、いろいろな木の根や葉っぱを自分で煮出していただく煎じ薬による治療も行っています。煎じ薬を使った漢方治療も保険が使えますので、値段はエキス製剤と変わりません。

 

ただ、クリニック周囲には、保険でこのような薬を調剤してくれる薬局がないので、東小金井か武蔵境まで行って頂く必要があります。エキス製剤ではうまくいかなかった方には、このような生薬を使った治療をお勧めしています。

 

一人一人に合わせて、いろいろな薬草の量や組み合わせを変え、オーダーメードの治療をすることができます。

 

漢方薬が向いている方とは

検査をしても異常がないのに調子が悪い方には、漢方治療をお勧めします。

 

西洋医学では病名がつかないと薬を出すことができません。そのため、原因がわからないと、治療方針が立たないため安定剤などを出すことになります。

 

それで症状が楽にならない方は、漢方を試して頂きたいと思います。

 

漢方薬は科学が進歩していない時代に発達しました。そのため病気の原因がわからなくても、その症状に対して適切な薬が用意されています。

 

生理痛、冷え症、耳鳴り、朝起きられなくて学校へ行けない方など通常では病気と思われない方が来られます。年のせい、気のせい、心配しすぎ、挙げ句の果てにはそのような性格だから病気が治らないと言われている方、辛い症状を我慢している方は是非漢方外来を受診してください。

 

新型コロナウイルス罹患後の後遺症に対する漢方治療

「今日は新型コロナウイルスに何人の人が感染したか」そのことばかりがニュースで報道されています。

 

現在は多くの医療機関が命を救うことに追われており、後遺症についてはあまり話が出てきません。

 

ローマの大学病院で、新型コロナウイルスから回復して二ヶ月たっても、8割以上の人が何らかの症状が続いていると報告されました。半数の方が疲れやすいと言われ、4割の方が息切れ、4人に一人が関節痛を、2割の方が胸痛を訴えているそうです。新型コロナウイルスにかかったあとに、心臓にまでウイルスが広がり、心筋炎を起こすことがあるそうです。

 

いろいろな不調が続いている方は、肺の検査だけではなく、心臓の検査や血栓ができていないか調べることが必要でしょう。心臓に異常が起きている場合は、そちらに対して治療を行うことにより、症状が楽になることが期待できます。

 

検査をして異常が見つからないにもかかわらず、いろいろな苦痛が続いている場合は、漢方が有効なことがあります。まだ一症例だけなのですが、漢方薬を使って、息切れや胸痛が改善された方がいらっしゃいます。

 

新型コロナウイルス感染症による肺炎が治って退院した後にも、つらい症状にお悩みの方は、ご相談ください。

漢方科のページはこちらです。

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