最近の新型コロナ感染に関するお話

 皆さまこんにちは。小金井つるかめクリニック院長の田中です。

 オミクロン株によるコロナ感染の第7波がようやく落ち着いてきましたが、皆様お変わりありませんか?今回はそのコロナに関して、コロナ罹患後の後遺症や治療方法、最近のコロナ感染に対する検査方法などをお話させていただきます。

新型コロナ感染後の後遺症について

 新型コロナ感染症から回復したあと、いわゆる後遺症として様々な症状がみられることがあります。世界保健機関(WHO)は、コロナの後遺症(Post COVID-19 conditionまたはLong COVID)を「新型コロナウイルスに罹患した人におきる症状で、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状としての説明がつかないもの」としています。東京都福祉保健局のホームページを一部参照とさせていただきますが、海外の文献によると、診断あるいは退院後半年以上経過しても54%の方に何らかの症状がある、と報告されています。年令や既往症及び基礎疾患の有無、コロナ発症時の重症度、オミクロン株との関連など、様々な因子と後遺症の発症には関連性はないそうです。また、デルタ株と比較してオミクロン株による後遺症の発症率は半分以下であるといわれています。しかし、オミクロン株による感染者数はデルタ株の5倍以上なので、後遺症でお困りである患者さんの人数はデルタ株のときより多いと推測されます。

 後遺症として代表的な症状には倦怠感や味覚障害がありますが、オミクロン株感染後の後遺症では特に咳嗽の訴えが多いです。また、国立国際医療センターからの発表では、味覚障害、臭覚障害、倦怠感、脱毛といった症状は女性のほうが男性より2倍から3倍多くなっています。

  • ①倦怠感:加味帰脾湯や補中益気湯という漢方薬が有効です。この漢方薬は飲み合わせが悪い、とされる薬がありませんので、ぜひお試しください。
  • ②味覚障害:麻杏甘石湯や黄連解毒湯などの漢方薬で治療可能なことがありますが、他の症状との関連性も考慮して治療をしなくてはいけません。
  • ③咳嗽:肺の線維化(炎症を繰り返した結果、肺実質が固くなってしまうこと)や器質化(炎症性物質により細い気管支や末梢の肺がつぶれてしまうこと)などの変化により咳が長引くことがあります。咳の種類は大きく分けると乾いた咳の乾性咳嗽と喘息に似た痙性咳嗽に分類されます。これらの治療薬として咳止めや去痰剤が有効ですが、なかには喘息の治療に用いられる吸入薬が著効を示すこともあります。半夏厚朴湯や小青竜湯などの漢方薬が効くことがあります。

 

当院CTが9月末に新機種へ変更されました。従来の装置と比べると、(Ⅰ) 胸部撮影時の息こらえ時間が5秒(従来は20秒)と短縮され、(Ⅱ) 被曝量が半減しましたが、低線量でも高画質な撮影が可能となり、(Ⅲ) 搭載されたAIにより画像が鮮明となり、(Ⅳ) 義歯やペースメーカー、人工物などによる画像の乱れも低減されました。コロナ後遺症(特に咳嗽)でお困りの方、当院では最新の画像検査が可能ですので、ぜひ私の外来を受診なさってください。

新型コロナ感染後の後遺症について

新型コロナの症状の持続期間(Open Forum Infectious Diseases, ofaa507より)


2020年7月18日朝日デジタルより

新型コロナ後遺症専門外来について

 先日NHKのテレビ番組で昨年1月に聖マリアンナ医科大学病院に新設された後遺症専門外来がとりあげられていました。受診される患者さんたちの症状は様々ですが、なかには脳血流が低下したために記憶力や集中力が低下している方が見受けられるようです。このような方々を反復性経頭蓋磁気刺激で治療している現場が取材されていました。また、コロナ感染歴がなくてもワクチン接種後に頭痛や倦怠感、記憶力の低下、といった症状がある女性も治療を受けておられ、新型コロナの予防対策としてワクチン接種の功罪を論議する争点になりうると思われます。

最近のコロナ感染に対する検査方法

 欧州呼吸器学会2022の抄録にこんな発表がありました。

【音声データからCOVID-19を検出するスマホアプリの開発】

 COVID-19に罹患すると上気道や声帯への影響から音声に変化がもたらされるため、AIを使用した音声回咳で新型コロナウイルスを検出する可能性を探っていろいろな検討がでてきました。イギリスのケンブリッジ大学が開発した《COVID-19 Sounds》は利用者の音声をクラウドで集め、COVID-19を検出するアルゴリズム開発に活用するためのアプリですが、これを利用したオランダの大学病院チームがユーザーの年代、性別、病歴、喫煙状況といった基本属性をcheckし、深呼吸5回、咳3回、短文の音声を録音してdataを解析しました。その結果、抗原検査よりも陽性者を高率に検出できることがわかりました。このスマホアプリは抗原検査と違って無料であるため、コロナ感染が疑われる患者さんにとって有効な検査方法の一つとなる可能性が示されました。

最先端の肺炎治療

 Nature materialsという海外の医学雑誌に掲載された記事をお伝えします。

【肺内を泳ぐマイクロロボットが肺炎を治療】

カルフォルニア大学サンディエゴ校からの発表となりますが、現時点ではマウスでの実験段階です。海藻の細胞でできたマイクロロボットの表面には抗生物質入りのナノ粒子が付着していて、これを致命的な肺炎にかかったマウスに気管チューブから投与したところ、全例が1週間以内に治癒したというdataが述べられていました。将来的に重症なコロナ肺炎の治療に応用されることが期待される論文です。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。


呼吸器内科のページはこちらです。

まとめ

*「新型コロナウイルスに罹患した人におきる症状で、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状としての説明がつかないもの」をコロナ後遺症(Long COVID)と呼ぶ

*漢方薬を含む総合的な治療を行う。診断には高性能な肺のCTが役立つことがある

*COVID-19の診断・治療に最先端のテクノロジーが応用されている

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