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自己紹介と早期肺癌について

皆さま、こんにちは。4月から小金井つるかめクリニックの院長として着任した田中真人(たなか まこと)です。

今回、初めて当クリニックのブログを執筆させて頂きますので、最初に自己紹介を致します。

 

私は1988年に東京大学を卒業しました。趣味は水泳とジョギングで、学生時代は水泳部に所属し、陸上部の練習にも顔をだしていました。医学生は6年生の夏の大会が終わると部活を引退することが多い中で、私は国家試験の直前まで練習に参加していました。今でも時間を見つけて泳いだり走ったりしています。

私が卒業する頃は現在のように明確に決められた研修プログラムがありませんでした。卒業後直ちに母校の医局に入局し、母校の大学病院または医局関連病院で数年間の研修を受けることが殆どで、私の同級生の95%以上がそのパターンでした。しかし私は小学生の頃から「少しでも早く一人前の外科医となって執刀したい」という強い希望をもっていたので、厳しいことで評判の三井記念病院の外科研修システムに飛び込み、医局に所属せずに外科レジデントとして医師人生をスタートしました。

三井記念病院の外科研修システムは、当時では数少ない独自のカリキュラムを組んでおり、消化器・一般外科、乳腺外科、心臓外科、呼吸器外科、救急科、麻酔科を3カ月ごとにローテーションで研修しましたが、休む暇もない毎日でした。レジデントという言葉どおり月曜日から土曜日までは病院内に住みこみ、毎朝5時起床で手術や術前及び術後管理、外来診療、カンファランスがびっしりあり、日付が変わってようやく寝れるとなると、医局に山積みされた毛布を運んで外来診察室の診察台や病棟のストレッチャーで寝ていました。こんな生活を6年間送りましたが、その期間に外科医としての下地が出来上がったと思います。

4年目の研修中に肺癌手術の大家である恩師との出会いが契機となって呼吸器外科医になることを決意し、三井記念病院での6年間の研修が終了してから聖路加国際病院胸部外科と国立がん研究センター中央病院肺外科に勤務しました。そして卒後11年目に母校の医局に入局して東大病院、次いで茅ヶ崎市立病院、JR東京総合病院で呼吸器外科医として勤務し、今年度より小金井つるかめクリニックで呼吸器内科及び外科を担当させていただいております。

 

今回は私が数多く執刀した肺癌、特に早期肺癌についてお話させていただきます。治療方法や今後の展望などは次回以降にお話しさせていただきます。

早期肺癌とは

肺癌は組織型で大きく分類すると①腺癌、②扁平上皮癌、③小細胞癌、④大細胞癌の4つに分類されます。またステージ(病期)といって、0(ゼロ)期からIV期(各々さらに細分化されますが、今回は割愛いたします)まで分類される進行度の指標があります。

肺癌の診断が下された時点でのステージにより、標準的な治療による生存率がデータとして示されていますので、下記に示します。

 

2010年全国肺癌登録のデータ

臨床病期

症例数

5年生存率

O

1100

97%

IA1

2199

91.6%

IA2

3857

81.4%

IA3

2704

74.8%

IB

2309

71.5%

IIA

641

60.2%

IIB

1561

58.1%

IIIA

1176

50.6%

IIIB

326

40.5%

IIIC

17

37.5%

IVA/IVB

189

36%


上記のなかで、特に予後のよいステージ0期およびIA1期の方(簡単にいうと、腫瘍の大きさが1cm以下でリンパ節を含めて他の臓器への転移がない方)が肺癌の根治手術後に追加治療を受けなくてもよいと言われています。肺癌のステージと症状は無関係ですので、無症状だから病状は進行していない、とは言えませんが、0期やIA1期で症状を伴うことは殆どありません。

次に当院で検査が行われた0期及びIA1期の方の画像所見をお示しします。

 

【症例1 ステージ0期】

早期肺癌とは

画面中央の矢印の先にあるごく淡い白色部分(専門用語ではGGOまたはGGN、訳すると、すりガラス結節)が肺癌を疑う病変です。大きさは5mmで内部に高濃度の成分(濃い白色部分)がないため、肺癌と仮定するとステージ0期と考えられます。このケースでは半年ごとの経過観察で腫瘍の大きさや内部濃度の変化を確認していく予定ですが、腫瘍が大きくなって1cmを超えたり、内部に高濃度の成分が出現してきたら手術による確定診断(肺癌、恐らく腺癌であれば根治治療)をお勧めする予定です。

 

【症例2 ステージIA1期】

画面中央のGGO病変は径15mmですが、内部に高濃度の部分があるため、腺癌であることを強く疑い他院で左下葉切除術を受けていただきました。病理報告では高分化型腺癌の診断でしたが、腫瘍の大きさは10mmでリンパ節転移なく、ステージはIA1と診断されました。術後に追加治療は不要ですが、定期的な経過観察が行われています。

 

0期やIA1期の方の腫瘍陰影を胸部レントゲンで指摘することはほぼ不可能です。毎年胸部レントゲン検査を受けられ、全く異常ありません、といわれても肺癌が隠れている可能性は否定できませんので、機会があれば胸部CTを受けられることをお勧めします。

次回は早期肺癌の治療についてお話させていただく予定です。今後ともよろしくお願いいたします。

呼吸器内科のページはこちらです。

まとめ

*肺癌の進行度と症状は無関係だが、早期肺癌症例の方は無症状である。

*胸部レントゲン検査よりもCT検査のほうが早期肺癌症例の発見に有効である。

*早期肺癌(または疑い)症例の方は定期的な画像followを受けていただくことが大切である。

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