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高尿酸血症・痛風について

 皆様こんにちは、小金井つるかめクリニック 糖尿病内科の深石貴大です。

 今回は高尿酸血症について解説します。

尿酸・痛風について

 健康診断などで「尿酸値が高いため要再検査」といった通知をもらったことのある方もいらっしゃると思います。尿酸値が高いと体に悪影響があるためそのような通知となるわけですが、具体的にどのような悪影響があるのでしょうか。

 最も代表的かつ有名なものは痛風でしょう。「風が吹くだけで痛い」から痛風という名前ですが、足の関節に尿酸の結晶が蓄積することで、赤く腫れあがり強い痛みを起こすものです。

尿酸・痛風について

https://kai-clinic.net/explanation/sick04/ より

 

 尿酸結晶です。見るからにとげとげしていて痛そうですね。

災害時の糖尿病治療について

https://news.infoseek.co.jp/article/president_47774/ より

 

 写真の通り、足の親指の関節や、くるぶしの関節に発生することが多いです。こちらも見るからに痛そうですね。苦痛に顔をゆがめて、足を引きずりながら診察室へ入ってこられる患者さんが多いです。

 「痛風発作をやったことはありますか?」と聞いたとき「うーん、確証はないけど、ずいぶん前に足の裏とかがなんとなく痛くて痛風なのかなとか思っていましたが・・・」という返答をされる方がいらっしゃいますが、この場合は場所的にも、痛み方的にも痛風発作の可能性は低そうです。「1回やったらまず忘れないと思います」とお答えするようにしています。

 足の関節が腫れて痛い、という場合、痛風以外にも偽痛風、あるいは化膿性関節炎というばい菌の感染によるものもあります。「健診で尿酸値が高かったけど放置していて、昨日から足の親指が赤く腫れて痛い、ぶつけても切ってもいない」なら痛風発作だろうと思いますが、「特に健診でも尿酸値は正常だけど、ちょっと前に足の切り傷ができたけど放置していて、日に日にそこが赤く腫れてきた」などだと痛風ではなく細菌感染を第一に考えます。

 尿酸値を上昇させる原因として「プリン体」があります。よくビール・発泡酒などで「プリン体カット」とうたっているものがあると思いますが、ビールだけでなく、アルコール全般はプリン体を上昇させるため、尿酸値が高い方は控えめにすることが望ましいです。また、干物やレバー、脂っこい食事なども尿酸値の上昇につながりますが、体質的な影響も大きいため、「特に尿酸値を上げやすい食べ物やお酒も摂らないけど数値が高い」という方もいらっしゃいます。

 他に、高尿酸血症から尿路結石を起こすこともあります。また、高血圧症、心血管病、腎臓病の発症や悪化のリスクになることも知られており、当然高いよりは低い方が良いのですが、血圧、脂質、血糖値などと比較すると直接動脈硬化を進行させて体を脅かしていく、という性質は弱いため、「基本的に高くても直接命には関わらないが、痛風発作などの困った合併症を起こすことがある」と患者さんには説明しています。

高尿酸血症・痛風発作の治療

 先ほど申し上げた通り、アルコールをはじめとする高尿酸血症のリスクとなるものの摂取を減らすことが重要ですが、それでも不十分であれば内服薬による治療を行います。

 ここで重要なこととして、痛風発作をやったことがあるかないかで目標値や治療の重要性が変わってきます。痛風発作をやったことがある場合、「もう二度とあんな痛い思いはしたくない」と皆さん思われると思いますので、是が非でも再発予防に努めようということになります。通常尿酸値は7を超えると高値なのですが、痛風発作をやったことがある場合、より厳しく「6」以下に下げ続けることが重要です。

 逆に痛風発作をやったことがない場合、治療の有無は患者さんとの相談になります。「親族に痛風患者がいて痛そうだったので予防したい」という人もいれば「薬は飲みたくないから、高いのはわかったけど発作が起こってから考えたい」という人もいます。先ほど7を超えると高値、と書きましたが、さすがに9を超えるとだいぶ高いため、痛風発作をやったことがなくても、いつ発作が起こってもおかしくない状況ですから下げた方が良いですよ、という説明をすることがあります。

 内服薬としては、体の中で尿酸が作られるのを抑える薬と、尿中へ尿酸を逃がす薬があります。院内採用薬ですと、前者はアロプリノール、フェブリク、後者はユリノームがあります。

 また、今現在痛風発作が起こっているという状況については、基本的には鎮痛薬を用いて痛みがやむのを待つしかないです。ロキソニンや、あまりに痛みが強い場合はステロイドの内服薬を用いることもあります。また、痛風発作には「足がムズムズしてきてこのままだと発作になりそう」という「予兆」があることが知られており、そのような際にコルヒチンという薬を飲むと効果的と言われています。

 あまり発作を繰り返すと下図のような「痛風結節」というものが関節にできあがってしまうため、痛みの観点も含め、痛風発作は最低限に抑えるべく、尿酸値は良い数値に保っておくべきです。

 また、高尿酸血症を有している方は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などを合併している方も多いです。尿酸値の受診をきっかけにそれらにも総合的に目を向けていく、ということもよくあります。

高尿酸血症・痛風発作の治療

まとめ

  • *高尿酸血症は痛風などのリスクとなり、食事療法以外に内服薬で数値を下げる
    *数値の目標、治療の有無は痛風発作の有無で変わってくる

糖尿病代謝内科のページはこちらです。


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