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花粉症にお悩みの方へ

2026年6月4日
呼吸器内科 田中 真人

こんにちは。小金井つるかめクリニックの田中です。
外出が楽しい季節になってきましたが、冬が終わったと同時に多くの方を悩ませているのが「花粉症」です。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ……。仕事や家事に集中できず、夜もぐっすり眠れないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、今や国民病とも言われる花粉症について、その原因やメカニズム、治療法から日常生活での対策についてわかりやすく解説いたします。

1. なぜ花粉症になるのでしょうか?

花粉症は、植物の花粉が原因で起こる「季節性アレルギー性鼻炎」です。日本では約60種類もの植物が花粉症を引き起こすとされていますが、代表的なものは春のスギやヒノキ、初夏のイネ科、秋のブタクサやヨモギなどです。
私たちの体には、ウイルスや細菌などの異物から身を守る「免疫」という仕組みが備わっています。しかし、本来は体に無害なはずの花粉を「有害な敵」だと勘違いしてしまうことがあります。
体が花粉を敵と見なすと、それに対抗するために「IgE抗体」という物質を作ります。この抗体が体内に蓄積され、一定量を超えた状態で再び花粉が侵入すると、鼻や目の粘膜にある細胞から「ヒスタミン」などの化学物質が放出されます。これが神経や血管を刺激し、くしゃみや鼻水といった症状を引き起こすのです。
「花粉症はバケツの水が溢れるようなもの」と例えられます。最近まで平気だった人でも、体内のバケツに溜まった花粉の記憶が溢れ出した瞬間に、突然発症するのが特徴です。

2. 花粉症の主な症状

花粉症の三大症状は、以下の通りです。

  • ① くしゃみ: 連続して何度も出ることが多く、体から花粉を追い出そうとする反応です。
  • ② 鼻水  : 水のようにサラサラした透明な鼻水が止まらなくなります。
  • ③ 鼻づまり: 鼻の粘膜が腫れることで空気の通り道が狭くなります。

これらに加えて、「目のかゆみ」「充血」「涙目」などの目の症状も多く見られます。また、重症化すると、喉のイガイガ感、頭痛、皮膚のかゆみ、さらには倦怠感や集中力の低下といった全身症状につながり、日常生活の質を大きく下げてしまいます。

3. 当院で行っている治療方法

花粉症の治療には、大きく分けて「対症療法」と「根本治療」の2つがあります。

  • ① 対症療法(薬で症状を抑える)
    現在出ている症状を和らげるための治療です。
     ・抗ヒスタミン薬: 飲み薬が中心です。最近は眠気の少ないタイプも増えています。
     ・鼻噴霧用ステロイド薬: 鼻の炎症を直接抑えます。即効性よりも継続することで高い効果を発揮します。
     ・点眼薬: 目のかゆみや充血を抑えます。
    ここで重要なのが「初期療法」です。花粉が飛び始める少し前、あるいは症状が少し出始めた段階で治療を開始することで、シーズン中の症状を大幅に軽く抑えることができます。
  • ② 根本治療(アレルゲン免疫療法)
    アレルギーの原因物質を少量ずつ体に取り入れ、体を花粉に慣らしていく治療法です。現在は、舌の下に薬を置く「舌下免疫療法」が普及しています。数年にわたる継続が必要ですが、花粉症を完治させる、あるいは症状を劇的に軽くできる可能性がある唯一の治療法です。
    ※当院で導入可能なスギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉飛散時期を避けて開始する必要があります。

4. 日常生活でできるセルフケア

医療機関での治療と並行して、体内に入る花粉の量を減らす工夫も欠かせません。

  • ① 外出時の防御:マスクや花粉症用メガネを着用しましょう。これだけで鼻や目に入る花粉を大幅にカットできます。
  • ② 家の中に持ち込まない: 帰宅時は玄関前で衣服についた花粉を払いましょう。表面がツルツルした素材のコートを選ぶのがおすすめです。
  • ③ 換気の工夫: 窓を開ける幅を小さくし、レースのカーテンを閉めることで、室内への侵入を抑えられます。
  • ④ 規則正しい生活: ストレスや睡眠不足は免疫バランスを乱し、症状を悪化させます。バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけましょう。

5. 予後と今後の付き合い方

花粉症は一度発症すると自然に治ることは稀ですが、適切な治療と対策を行うことで、症状をほとんど気にならないレベルまでコントロールすることが可能です。
「たかが花粉症」と我慢してしまう方もいらっしゃいますが、症状を放置すると粘膜の炎症が慢性化し、副鼻腔炎などを併発することもあります。また、集中力が低下した状態で仕事をしたり車を運転したりすることは、思わぬ事故のリスクにもつながります。

当クリニックでは、患者様一人ひとりのライフスタイルや症状の強さに合わせた治療をご提案しています。
「毎年この時期がつらい」「薬を飲んでいるけれど眠気が気になる」など、どんな些細なことでも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
新しい季節を、少しでも快適な笑顔で過ごせるよう、私たちが全力でサポートいたします。

小金井つるかめクリニック
院長 田中真人
(公開日:2026年6月4日)

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