皆さまこんにちは、小金井つるかめクリニック院長の石橋です。
今回は2019年度の内視鏡検査実績の報告をしたいと思います。2020年度に向けての展望などについてもお話をします。
2019年度の内視鏡件数
当院は多摩地区随一の件数の内視鏡検査を行う内視鏡センターを有しており、系列の新宿つるかめクリニックの消化器病センターと合わせると、年間35,000件以上の内視鏡検査を行っています。
私が院長として着任した2019年度は、前年度より胃カメラ、大腸カメラを合わせて実施件数は約1700件増加しました。特に専門とする大腸カメラは、前年度の2倍に増えました。
大腸がんは年々罹患率が増加している一方、早期に発見できれば、内視鏡治療という極めて低侵襲な治療で治癒可能な病気です。血便や腹痛などの警告症状がある方のみならず、40歳以上でこれまでに大腸カメラを受けたことがない方、以前の検査から5年以上経過している方、最近便秘がひどくなった方などは是非一度大腸カメラを受けることをお勧めします。
当院では、大腸カメラの専門施設でトレーニングを積んだ消化器内視鏡専門医を有する常勤職員が、適宜鎮静剤(安定剤)を用いながら「安全、正確、短時間」で終了する大腸カメラ検査を行なっています。
大腸ポリープ切除術件数
次に、当院での大腸ポリープ切除件数の結果です。
大腸カメラの実施件数は2018年度から2倍に増加しましたが、検査体制の整備や治療器具・方法の見直し、検査医師の教育等により、大腸ポリープ切除件数は2.5倍程度に増加し、年間500件を超えました。見つけたポリープ全てを治療しているわけではなく、「がん化」のリスクの高いポリープを診断して治療した結果の数字になります。切除しなければならない大腸ポリープについての詳細は2019.9.19のブログをご覧ください。
また、切除しなければならない大腸ポリープの発見率についても公開しています。2020.2.17のブログをご覧ください。
消化器がん発見数
内視鏡検査の最終的な目標は、「がんによる死亡を減らすこと」です。そのためには、どれだけ早期がんを発見できたかが重要です。当院での消化器がん発見数の結果を示します。
総内視鏡件数の増加に従って、早期がん、進行がんともに発見数が増加していることがわかります。では、食道、胃、大腸の部位別の早期がんの発見数はどうでしょうか。
食道と胃の早期がんの発見数は、2017年度以降はほぼ横ばいです。これは、胃がんの原因の多くはピロリ菌によるものであり、ピロリ菌陽性の方が年々減っていることが影響しているものと考えます。今後おそらく問題になるのは、ピロリ菌陰性の胃がんでしょう。ピロリ菌陰性の胃がんについては、2019年8月5日のブログにも書いておりますのでご覧ください。
一方で、大腸の早期がんは、内視鏡の検査件数に比例して、年々発見数が増えています。大腸がんは、胃がんと違って、これといって明確な原因が決定されておらず、現時点ではとにかく早めに診断することが治癒するためには重要です。症状がない方でも、40歳以上の方は、一度は大腸カメラを受けることおすすめ致します。
内視鏡センターのページはこちらです。
まとめ
* 大腸がんの発見数は年々増加しており、早期発見のためには無症状でも大腸カメラを受けましょう。